GitHub Copilot Prompt Files 運用ガイド(4期・運営/メンター向け)

4期は Cursor の .cursor/skills/ に相当する仕組みを、GitHub Copilot の Prompt Files(.github/prompts/*.prompt.md)と copilot-instructions.md で再構築している。本ドキュメントは、この仕組みの中身・有効化手順・トラブル対応をメンター/運営向けにまとめたもの。背景の設計判断は ../../cohort3_webstorm/DESIGN.md を参照。

受講生向けの導入手順(アカウント作成〜クローンまで)は PRE_SETUP_GUIDE.md を参照。本ドキュメントは「なぜそう動くか」「詰まったときにどう誘導するか」の解説に重点を置く。


1. 仕組み: Prompt Files と copilot-instructions.md の違い

教材リポジトリ(starter/)には、性質の異なる2種類のAI向けファイルが入っている。

Prompt Files(.github/prompts/*.prompt.md) copilot-instructions.md(.github/copilot-instructions.md)
役割 ステップごとの「対話台本」 プロジェクト全体に効く「常時ルール」
読み込まれるタイミング チャットで / から手動で呼び出したときだけ Copilot Chat が動くたびに自動で読み込まれる
粒度 Step1〜4 の1ステップ = 1ファイル プロジェクト全体(方針・禁止事項・スタックなど)を横断
中身の例 「Step1では仮説と削りを対話で決める。質問はこの順で…」 「このコースではNext.js/Vercel/Supabaseを提案しない」「必達チェックリストはこれ」等
受講生から見た体感 Cursor の Skill を手動で呼ぶのと同じ感覚 Cursor の .cursorrules / プロジェクトルールと同じ感覚

イメージ: copilot-instructions.md が「このプロジェクトで常に守ってほしいこと」、Prompt Files が「今このタイミングでこの手順をやって」という都度の指示書。両方が揃って初めて、Cursor期の Agent Skills に近い体験になる。


2. 有効化: Customizations を ON にする

copilot-instructions.md は、WebStorm 側の設定が OFF だと自動的には読み込まれない。受講生・メンターとも、以下の設定を必ず確認する。

  1. WebStorm の設定を開く(Windows: File → Settings / Mac: WebStorm → Settings)
  2. Tools → GitHub Copilot → Customizations を開く
  3. ワークスペースの Custom Instructions(カスタム指示)が有効になっているか確認する
  4. 教材リポジトリを開いた状態で、.github/copilot-instructions.md が読み込まれていること(Copilot Chat が起動時にこのファイルの内容を踏まえて応答すること)を確認する
💡 PRE_SETUP_GUIDE.md の Step ⑥ でこの設定を事前にONにしてもらっているが、プラグインの更新後にリセットされることがあるため、Day1 当日にメンターが一度確認するのが安全。

3. Agent モードが必須な理由

Copilot Chat には主に Ask モードAgent モード があり、この教材は Agent モード前提で設計されている。

モード できること この教材での扱い
Ask 質問への回答・コード例の提示のみ。ファイルへの書き込みは行われない 使わない(mvp/STEP1.md 等が保存されない)
Agent ファイルの作成・編集・保存まで一貫して実行できる 必須。全 Prompt Files はこのモードでの実行を前提に書かれている

受講生が「Step1を実行したのに mvp/STEP1.md ができていない」と言ってきたら、まず Ask モードのままになっていないかを確認するのが最速のトラブルシュートになる。


4. / 補完での呼び出しと、出ないときの対応順序

Prompt Files はチャット入力欄に /course-mvp-step1-hypothesis のように打つと起動する(/ を打つと候補が表示される)。

出ないときは、以下の順で試す:

  1. Copilot プラグインを最新版に更新する(Settings → Plugins → Updates)
  2. WebStorm を再起動する
  3. 新しいチャットを開いて再試行する(古いチャットセッションに残った状態が原因のことがある)
  4. フォールバック: .github/prompts/course-mvp-step1-hypothesis.prompt.md を開き、中身をコピーしてチャットに直接貼り付けて実行する

この4段階は PRE_SETUP_GUIDE.md のトラブルシュート表にも掲載しているが、Day1 当日はメンターが口頭でこの順番のまま案内できるようにしておくこと。特に④のフォールバックは「動かない場合の最終手段として必ず機能する」ので、時間が押しているときは①〜③を飛ばして④に誘導してよい。


5. クレジット節約の運用

学生向け Copilot にはチャット/Agent の利用に月間の上限がある。具体的な上限数値・対象モデル名はGitHub側の仕様変更で変わるため、本ドキュメントでは数値を断定しない。 最新の状況は都度 https://github.com/settings/copilot および GitHub 公式ドキュメントで確認すること。

運営・メンターが受講生に案内すべき節約のコツは以下の3〜4点(数値に依存しない、恒常的に有効な方法):

  1. ステップが変わったら新しいチャットを開く(古い履歴を引きずらない。文脈が長いほど消費が増える)
  2. 1回のメッセージで「あれもこれも」頼まない。1メッセージ1テーマで区切る
  3. 残数はこまめに確認する習慣をつけるhttps://github.com/settings/copilot
  4. モデル選択ができる場合は、低コストなモデルをデフォルトにする(高性能モデルは複雑な実装や詰まったときの切り札として温存する)
⚠️ Day1 のようにチャットの試行回数がかさむ場面では、ループ上限(Step3の改善ループは目安5往復、Day1中は最大3往復)を先にアナウンスしておくと、受講生自身が節約を意識しやすい。

6. 4つの Prompt File 一覧(Step1〜4)

呼び出し名・入出力の対応は STEPS_MVP_FLOW.md が正。本表はメンター向けの早見表。

Step 呼び出し(/補完) このステップでやること 入力(前提) 出力(成果物)
1 /course-mvp-step1-hypothesis 「何を作るか」の仮説と、削るべき機能の整理を対話で決める アイデア道場ワークシートの内容(あれば) mvp/STEP1.md
2 /course-mvp-step2-story-scope ユーザーストーリーと画面・機能のスコープを整理する。実装コードは書かない mvp/STEP1.md mvp/STEP2.md
3 /course-mvp-step3-ui-mock 静的HTMLの画面モックを作り、了承が出るまで改善ループする(フレームワークのコードは書かない) mvp/STEP2.md mvp/STEP3_UI_MOCK.html
4 /course-mvp-step4-implement-host レーン判定(共有データの要否)→計画→実装→Cloudflareへデプロイまで一貫して行う mvp/STEP1.md mvp/STEP2.md mvp/STEP3_UI_MOCK.html mvp/STEP4_PLAN.md + 実装コード + 公開URL

補足:


7. メンター向けクイックリファレンス

質問が来たら、まずこの順で切り分ける。

  1. 「保存されない」 → Agent モードになっているか確認(§3)
  2. / に出てこない」 → §4 の4段階を順に試させる
  3. 「クレジットが減るのが早い」 → §5 の節約4点を案内
  4. 「どのステップで何をするか分からない」 → §6 の表、または STEPS_MVP_FLOW.md を見せる
  5. 「Copilot自体が有効にならない」 → Student Pack の承認状況を確認させる(受講生側の問題。PRE_SETUP_GUIDE.md 参照)

版: 1.0 — CURSOR_SKILLS_SETUP.md の後継として4期(WebStorm+Copilot)向けに新規作成